初めまして、『MAX ANARCHY』でイベント(デモシーン)を担当した高島です。

リアルタイムデモ班ではストーリーを展開するためのイベントシーンの制作を担当しています。
今回『MAX ANARCHY』は多人数で闘いに明け暮れるネットワークモードが一番の売りですが、個性豊かなキャラクターが織り成す重厚な物語を楽しむストーリーモードもあります。
おかげでイベントスタッフは食いっぱぐれなくてすみました。
逆に仕事中のお菓子が祟ってブクブクと太ってしまった・・・というよくある話は置いておいて、僕からはイベント制作の裏側について少しだけお話しします。

リアルタイムデモ班では、これまでの制作スタイルを踏襲しつつ、より効率的な開発環境の模索を行いました。
シーン制作には、モデル、モーション、エフェクト、UI、サウンド、SEなど、非常に多くの要素が必要になります。
そこで今回はプリビズに時間を割いて演出を早い段階で決めることで、イベントの全体像をチームで共有することを目指しました。
これで必要となる素材の洗い出しや、ゲーム中におけるイベントの総量のバランスの確認などをあらかじめ行います。
また本番のデータを作り始める前なので、修正や試行錯誤を行いやすいというメリットもあります。

そもそもプリビズって何?って方も、百聞は一見に如かず。
実際のプリビズと、全素材入りの映像を比べてご覧ください。(完成版は本編をお楽しみに)

  • 女の子はスイーとスライドしているだけですが、やりたいことは十分わかりますよね
  • ジャックが耳にあてている手は当初は機械の右手でしたが、生身の左手にすることでジャックの人間味を描くシーンに沿った演出になっています
  • 手から出るキラキラなど、演出上ほしいエフェクトはタイミングやイメージを伝えやすいようにサンプルを作ってしまいます

フェイシャルでは、キャラクターの個性を出しやすいリグの構築を目指しました。
あらかじめ登録しておく表情の数を絞り込むことで、大まかな表情の制作を行いやすいコントローラを用意しました。
登録する表情は、ブレンドした際にノイズが乗りにくいように、汎用性と個性のギリギリのラインのものを準備しています。

ストーリーモードでは、逃亡犯マックスを追う二人の主人公、ジャックとレオの物語を経験することになります。
その道中、強烈な個性を持ったキャラクター達が、入れ替わり立ち替わり主人公の前に立ち塞がります。
彼らはどのような世界で暮らし、なぜ闘いの中に身を置くのか、『MAX ANARCHY』の濃密な世界観を味わいつつ、ぜひお気に入りのキャラクターを見つけて下さい。