『― MAX ANARCHYの歌 ―』
(MAX! MAX! MAX ANARCHY!)
 
オレのぶーきーを知ってるかーい?


 
拳!

 
拳!

 
拳!

 
(全部パンチじゃねえか!)
 
 
 
今日もバトルだーッ!!
マ ッ ク ス ゥ ~ ♪ ア ナ ~ キ ィ ~ ~ ♪


 
… … …
 
…と、いうCMソングもあるように(ないです)
対戦バトルがメインの『MAX ANARCHY』ですが、もちろん1人用のストーリーモードも充実しております!
 
 
申し遅れました。ストーリーモード担当
打倒カイザーでおなじみ
ノープランナーの佐藤貴宣です。
以後お見知りおきを。
 
 
ストーリーモード制作の裏に涙あり。涙あり。涙あり。
涙しかねえ!!
 
今日はそんな日々を駆け足で少し振り返ってみようと思います。
「ストーリーモード開発秘話」のはじまりはじまり~!(ぱちぱちぱち)
 
 

◆ストーリーモード開発秘話◆

―完成まであと356日―
 
 
朝から激しい雨が降り続き、スカイビルに暗雲が垂れ込める。
ストーリーモードについて聞かされたのは、そんな日だった。
 
「BLACK SIDE?WHITE SIDEって何です?」
「主人公が2人いるということだ」
 
「ミッションの種類がこんなにあるんですか?」
「1人で遊ぶ時でも十二分に楽しめるようにする為だ」
 
「でも、これだけの量、このスケジュールじゃあ…」
「やるんだ」
 
「でも…」
「…やるしかないんだ」
 
 
仕様の量が多すぎて、むせる。
俺は休暇にさよならをした。

 
 
 
―完成まであと243日―
 
 
「荒廃都市、廃港、中華街…それに…。」
 
各種ステージが完成し始めた。
そこを駆けまわるキャラクターの姿を想像するだけで胸が躍る。
そんな素晴らしいステージに潜むミッションも一筋縄ではいかない。
 
「凶悪なバーサク・ミュータントとの死闘!」(ドン!)
 
「フライング・プラットフォームで港を爆走!」(ドドン!)
 
「100人ものゴロツキをブッ●す!」(ドドドン!!!)
 
どれもこれも素晴らしいミッションだが、その全ての制作が遅れていた。
理由はたった一つ。
 
T U N I N G だ!!!
 
『MAX ANARCHY』は、もともと対人戦がメインのゲーム。
故に、毎日テストプレイをしてバランスが日々調整されている。
 
ストーリーモードはそれに合わせつつ、更に調整を重ね、1人用に最適なバランスにしているのだ。
 
つまり、対人戦のバランスが変わるたび、ストーリーモードもその都度変更せねばならないのである!
 
 
チューニングは連日深夜まで及んだ。
 
まさに終わりのないディフェンス。
疲労・ストレス・睡眠不足が極限まで高まった時、ついに誰かが倒れた。
 
さらば、友よ。

 
 
 
―完成まであと183日―
 
 
制作も佳境に入り、闘いは熾烈を極めた。
だが、そんな俺たちの前に大きく立ち塞がる敵が現れる。
 
その名も
――インフルエンザ
 
次々と倒れていく仲間達。
しかしプロジェクトは止まらない。
 
男は誰もロンリーソルジャーボーイ。
病に倒れている人の席へ、体調を崩している人の席へ。寝ている人の席へ。
 
書類を積む。
容赦なく。

 
 
 
―完成まであと105日―
 
 
「ボスバトル」
ステージに立ちはだかる数多のライバルとの闘い。
しかも、ただ対戦するだけではない。
それぞれのライバルならではのバトルが展開される。
 
「手下のゴロツキ共をけしかけてくるビッグ・ブル」

 
 
「ガルーダと共に空中から襲ってくるドゥルガー」

 
 
「忍者部隊を率いて襲い来るゼロ」

 
非常に魅力的なボスバトル。
しかし、どうしても対戦モードの制作が優先される為、担当者は消極的であった。
 
確かに優先すべきは対戦。それはわかる。
でも…ストーリーモードだって『MAX ANARCHY』のはず…
 
そう思った瞬間、叫んでいた。
 
「対戦だけが『MAX ANARCHY』じゃない!
全部が全部面白くなきゃ意味がないでしょう!」

 
直後、場が綺麗に凍り付いた。
だがこの一言をきっかけに、制作は加速してゆくのであった。

 
 
 
―完成まであと60日+(???)―
 
 
ほぼ全てのものが完成し、あとはバグチェックを残すのみ。
だが、ここまで来た俺達を待ち受けていたのは
 
さらなる地獄だった…
 
(…つづく)
 
 
 
… … … 
 
 
…疲れたッ!!
 
ホントはもっともっとあるのですが、今日はここまで!
と、とにかく様々な苦労を乗り越えてストーリーモードは完成したわけです。うん。
 
もちろん苦労した分だけ素晴らしい仕上りになっているので、是非プレイして、それを確かめてみてください。
 
 
と、ゆーわけで。
ノープランナーの佐藤貴宣
プラチナゲームズ本社よりお送りしました。
 
『ギャラクティカさらばーッ!!』

 
 
≪次回予告≫
 
「2人の主人公」「美しいステージ」「過激なミッション」「強大なボス」
様々な要素が完成し、絡み合い、ストーリーモードを彩っていく。
 
幾多の夜を乗り越えて完成を確信したその瞬間、あの男が叫んだ。
 
「これも追加!」と…
 
次回「更なる要素!秘密の金庫にご用心!!」

 
迫る締め切りの向こうから、プロデューサーが動き出す…
 
 
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※この記事はSF(すこしフィクション)であり、実在の人物及び団体とは一切関係ありません。なお、続きません。